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紛争の処理とは

労働争議やその他の労働関係について生じる問題は、一般の裁判所で取り扱うのは必ずしも正当でない場合があります。そこでこの問題を専門的に処理する機関として、労働委員会が設けられました。労働委員会はすなわち労働組合法および労働関係調製法に基づき、不当労働行為の判定、労働争議の調整その他の権限を持つ行政委員会です。
労働委員会には一般の労働委員会と船員労働委員会の2種類があり、中央労働委員会(中労委)地方労働委員会(地労委)とがあります。
ただし一般の労働委員会では、中労委が厚生労働大臣、地労委が都道府県知事の所轄であるのに対し、船員労働委員会では中労委・地労委ともに国土交通大臣の所管である点と、一般の地労委が各都道府県に置かれるのに対し、船員地労委は海運局ごとに設置される点が異なります。
中央労働委員会は東京にあって、2つ以上の都道府県にまたがる争議や、全国的に重要な問題にかかわるあっ旋、調停、仲裁および処分について優先して管轄し、また地方労働委員会で解決できなかった事件などを取扱います。
地方労働委員会は各都道府県にあって、そこでの労働問題の解決にあたります。
労働委員会は中央・地方の別なく、労働者団体から推薦された労働者を代表する委員(労働者委員)と、厚生労働大臣や知事(船員の場合は国土交通大臣)が労使双方の委員の同意を得た上で依頼した国民全体の立場を代表する委員(公益委員)の3者各8人で構成されています。これらの委員はいずれも同資格で、委員長は公益委員から選ばれ、任期は各2年で再任することができます。
労働争議の際、主張を貫徹するための実力行使、つまりストライキなどを行う権利は憲法で保障されています。したがって労働争議に対しては国家権力をもってするべきものではありませんが、その争議が電気、ガス、水道、交通機関などの公益事業に関係するものや、ゼネストのように大規模な争議行為であった場合は、国民の日常生活に著しい驚異を与え、社会不安をかもし出します。そこで、このような事態が発生した際は、内閣総理大臣の責任において緊急調整の決定を下し、これによって50日間争議を停止し、その間に中央労働委員会によって、迅速に平和的かつ合理的に争議を調整し、国民の日常生活の不安を除くことになっています。